小森谷 明子 さんVMDインストラクター
VMDを勉強するきっかけは、どのようなところから来たのでしょうか。
私は、スポーツ用品メーカー、ミズノ株式会社の営業本部本部室にて、営業支援をしています。当社は、地域の小売店はじめ、大型専門チェーン店、GMS、百貨店など、いろいろなチャンネルのお店に商品を納入しています。私は小売店を対象とする営業支援を主体に、店舗販売促進等も行っています。売場づくりもその一環で、お店が活性化するのに欠かせないサポートとして、VMDアドバイザーとして店舗に赴いたり、小売店様や当社営業を集めてVMDのセミナーや勉強会を企画立案・実施しています。時には講師になることもあります。
以前は、「MIZUNO SOZO塾」という店舗支援業務に関わっていました。これは、店舗運営や経営・財務・人材教育など、店舗を活性化し高収益構造にするためのeラーニングをメインにした教育サービスです。その業務と関わるうちに、お得意様のお店づくりに関心をもち、VMDの勉強をすることになりました。当時業務で関わりのあるデコレーター兼日本VMD協会の方に、ディスプレイだけなく売り場作り全体としてとらえたVMDというものをはじめて教えていただきました。そして、VMDの知識を幅広く習得したく思い、売場塾の門をたたきました。
売場塾はいかがでしたでしょうか。
お店づくりをさらに詳しく理論的に全体的に学べる、という点でいいですね。それまでに習っていたディスプレイのノウハウは、VMDの一部だったことを再確認できました。総合的にお店全体を見る目が養われ、今では売場を診断して、具体的に改善アドバイスもできるようになりました。売場塾のカリキュラムを参考に、先に述べたEラーニングや勉強会にも役立てることができ、お得意先様へのお店づくり支援に役立っています。
コップを使ったディスプレイの訓練なども教えやすく、売場塾のワークショップも大いに役立っています。おかげさまで、VMD推進が社内外に大いに役に立ったということで、今春、社内賞もいただきました。
VMDインストラクターとしてのスキルは、どのようなところに生かそうと思っていますか。
スポーツ用品メーカーと言っても、アイテムは幅広く、ウエアや靴・帽子・バッグなどのアパレル商材はもちろん、バットやボールといった専門競技種目の用品は、野球やサッカー、陸上やゴルフなど多岐に渡ります。しかも、商品の特性上、色やサイズ、素材や機能もバラバラです。店舗規模も大型店から小型店、ご家族で営んでいる商店までいろいろある上、お店によって商材も競合しているメーカーも違います。
そんな特殊ともいえる業界のお店づくりのクオリティをもっともっと上の方に導いていきたいと思っています。そのために、できることはすべてやろうと。お店づくりが難しい業界だからこそ、やりがいがあると思っています。
EラーニングでのVMD教育は、小売店販売スタッフ対象のトレーニングとして現在も展開しています。これからも、お得意先様や社員を対象としたセミナー、弊社営業のつくった売場の評価・改善指導などの店舗コンサルティング等を進めていきたいと思っています。それを繰り返し行っていくことで、ノウハウに深みが増して、業界でもトップのVMD技術を持つメーカーになれるよう期待を抱いています。私自身、伸びるのも楽しみにしています。
オリンピックが東京に決まってうれしいのですが、日本は少子高齢化の時代に入っています。業界が厳しい折、VMDはお店の売上に直接効果があるノウハウだと思っています。店内シェアを上げるだけでなく、お店全体の売上を上げるために、これからもスキルを磨いていきたいと思っています。弊社営業、お得意先様と二人三脚で、スポーツ業界をお店から活性化していきたいです。